知床峠から見上げる星空

日本で唯一地平線を見ることのできる北海道なら、どこへ行ってもきれいな星空が見えるだろうな~なんて思いがちですが、そんなことはないです。札幌や旭川などの大都市は街の灯りがじゃまになって星空が見えにくかったりします。今回は天文ファンのあいだで1番人気のある星空スポット・知床を紹介したいと思います♪

世界自然遺産に登録されたことで一躍有名になった知床は、天文ファンのあいだで日本一の星空として知られてる人気スポットです。ここでのおすすめは、標高700Mほどにある知床峠から見る星空です。そこまで行けば思わず息をのむ輝くばかりの星空を見あげることができます!満点の星空に羅臼岳のシルエットが、写真を撮るときにいいアクセントにもなります。気を付けたい点は、森を魅力的に照らす月あかりが星を観察するときにはじゃまにさえなってしまうことです。なので、出来るだけ新月に近い時期を選んで、真っ暗闇の空にまたたく無数の星たちを観察してください。プラネタリウムではなく、本物の星空をご自身の目で見ると感動をおぼえます。

星空が美しい知床ですが、世界自然遺産である知床には世界屈指の景勝地や見どころがたっくさんあります♪とはいえ、どうやって行けばいいのか、どこは行けばいいのかわからないですよね。そういう時には、知床のガイドさんに案内してもらいながら、さまざまな自然体験ができるツアーがお勧めです。知床の奥深さを知ることもでき、なによりもガイドさんとっておきの穴場を教えてくれるかもいれませんよ。原始的な自然の姿が残る魅力いっぱいの知床の森を歩いたり、ダイナミックな知床の断崖近くまでいけるシーカヤックや、原生林のトレッキングなどがあります。

わたしのお勧めはやはり、雄大な風景と動物を観察することのできる自然体験ツアーです。餌付けされた動物と違った本物の野生動物を観察することもできます。家族で参加できる楽なコースですが、知床では駐車場から少し歩くだけでも野生動物の息吹を感じることができます。太古の昔から動物も人もその豊かな自然に支えられて暮らしてきた知床のあふれるパワーをたっぷり吸いこんで、日常のストレスや疲労を忘れてください。ストレス解消といえば、千島火山帯の上にある知床半島は温泉が豊富!ウトロ温泉街は言うに及ばす、川の流れ落ちる滝つぼがそのまま温泉になっているカムイワッカ湯の滝。その他にも露天風呂などの温泉が点在しています。ぜひ知床の温泉めぐりも楽しんで下さい。

丘のまち・美瑛

北海道といえば、綺麗な夜景や、広大な景色が見れ、観光に訪れた方は思わず“うっとり”してしまう程。
まさに“北海道に来た!”という実感が湧いてきますよね♪

しかし、イルミネーションが見れるようなスポットでは、決して楽しむことができない星空。見たことがありますか?
他とはまた違った絶景を目に焼き付けておきませんか?一生忘れられない思い出になりますよ♪

満点の星空を見ることが出来るスポット「丘のまち・美瑛」十勝岳登山の玄関口にある“十勝岳望岳台”へ行けば、思わず“こんな星空見たことがない”と言ってしまうほどの絶景を眺めることができます。
この展望台は、十勝岳中腹・標高940mの地点にあり、“十勝岳連峰”や“富良野の街”を見渡せます。

そして、このスポットの魅力は“星空”だけでなく、春夏秋冬・一日中、様々な景色を楽しむことができるんです。
この「丘のまち・美瑛」へ訪れると、まるで、欧州の田舎町に来たかのような錯覚に陥ってしまいそうになります。

周りには、丘と自然だけが広がっているので、どこで写真を撮っても様になるところもいいんです^^
本当に景色のいいところなので、自転車で楽しんでもいいですが、坂のきつい場所もありますので、ご注意を!
体力に自信のある方や、時間を気にしなくていい方にはオススメです♪

7月頃には、近くにある“富良野”でラベンダーが咲き誇り、美瑛には“小麦畑”が最盛期を迎えるので、黄金色の畑と、青々とした緑の、まるで「パッチワーク」のような景色を眺めることができるんですよ~♪

夏が過ぎ、秋には紅葉を、寒い冬には、辺り一面“雪原”となった丘が見ものです!!
そして、朝日・夕焼けの時間にはそれぞれ違った魅力があるので是非♪

近くには「白金温泉」もありますので、温泉にゆっくり浸かってみる星空もきっと素敵ですよね^^
その他、ペンションやホテルもあるので自分だけの“星空旅”を楽しんでみましょう。
今にも、こぼれ落ちてきそうなたくさんの星を見ていると「ここへ住みたいなぁ。。」と思ってしまうかもしれませんよ♪
その季節にしか見ることのできない“星座”を探して楽しむのもいいですね。

星空を楽しんだ翌朝は、ウォーキングをするのがオススメ!澄んだ空気と、朝のすがすがしい景色で“素晴らしい1日の始まり”を感じてみませんか?

北海道へ訪れた際には、自然の魅力たっぷりの「丘のまち・美瑛」へ行ってみてくださいね^^
きっと見たことのない景色に出会えるハズです!

幌見峠

観光にデートにと、毎日多くの人が訪れる札幌。ここから車で30分のところに綺麗な星空が見られるスポットがあるって知っていますか?しかもそこからは夜景までバッチリ見ることができるんです。そんな素敵な場所なら是非ともチェックしておきたいですよね。というわけで、早速ご紹介しましょう!

今回ご紹介するのは、夜景スポットとして人気のある『幌見峠』。こちらの峠には≪幌見峠展望駐車場≫があります。ここは全国でたった一つしかない夜景専用駐車場で、車に乗ったまま夜景を眺めることができる場所なのです。だから、肌寒い日だってへっちゃら。車の中からヌクヌクと夜景を見ることができますよ。また、デートで訪れた時は他者に邪魔されることなく、ロマンチックな雰囲気の中二人きりで夜景を見られるということもあって、週末にはカップル客が後を絶たない程人気なんですよ。

・・・ということで、ここを訪れた方は車の中から夜景を見て満足して帰ってしまうのですが、ここの魅力はそれだけではありません。ちょっと車を降りてみてください。峠の上の澄んだ空気が気持ちいいですよ。そして、そのまま空を見上げてみましょう。するとそこには、満天の星空が!
普段都会で生活している人は決して見られない、美しい星空が広がっています。以前はよく、北海道を訪れた人たちから「北海道の星空はプラネタリウムみたいだったよ!」なんて聞かされていて、「そんな大げさな~。」なんて軽く思っていたのですが、私も初めて北海道で星空を見た時は「プラネタリウムみたい♪」と思ってしまいました。それ程に北海道の星空は素晴らしいのです。なので、幌見峠を訪れた際は車中から夜景を楽しむだけでなく、車から降りて星空を見上げてほしいと思います。

この幌見峠では、7月中旬~8月上旬まで≪ラベンダー園≫が開園されます。5,000株ものラベンダーがつくる紫のじゅうたんのような美しい景色は一見の価値あり。ラベンダーの甘い香りに心も癒されますよ。
もし夏場に訪れる場合は、夕方ごろにラベンダー畑を散策→幌見峠展望駐車場でサンセットと徐々に変化していく夜景を眺める→暗くなったら車から降りて星空を眺める、というプランはいかがでしょうか☆

≪幌見峠展望専用駐車場≫
営業期間:4月1日~11月30日
営業時間&駐車料金:(昼の部)10時~17時/300円、(夜の部)18時~25時30分/500円
※天候のため夜景が見えなかった場合は、次回利用できる割引券をもらえちゃいます!

ペンション星ヶ丘

街の光に邪魔されず星空を見ようと思うと、かなり都会から離れなきゃいけないですよね。星空や天体観測に適しているのは空がきちんと暗くなってから。となると、その前に食事を済ませてそれから星空観測スポットに移動ということになりますよね。夕食を食べてお腹いっぱいで心地よい中、暗闇に向かって車を走らせて星空観測をして、またそこから暗闇の中を走って帰ってくる・・・なんて考えたら、もう面倒になっちゃいますよね。実際にそう考える方も多く、北海道を訪れたにも関わらずあまり星空を見ていないという方もいるようです。なんと勿体ない・・・。というわけで今回は、夕食を食べてお腹を満たし、外に出れば満天の星空。天体観測が終わったら、すぐに床につけるというオススメ星空観測スポットをご紹介します。

それが、富良野から車で1時間程、美瑛町にある『ペンション星ヶ丘』。夫婦二人で経営されているアットホームな宿です。こちらのオーナー、高校時代には現在東京でヒカリエが建っているところにあったプラネタリウムの星の会会員だったそうです。そんなオーナーは星と山が好きという事で、この美瑛町にて宿に天文台を設置した『ペンション星ヶ丘』を始められました。またこちらでは、親子星座教室も開催されており、オーナーが分かり易く星について教えてくれますので、お子様連れの方も充分に楽しめます。

オーナーは音楽ファンでもあり、広間にはグランドピアノやレコードプレーヤーも置かれていたりします。ちょっと時間のある時は、ここでオーナーたちと星や音楽について語り合うのもいいですね。
客室は全室に洗面・トイレ・冷蔵庫がついていますので、他の宿泊客を気にする心配なし。遮音にも配慮されているので、ちょっとしたお子様のはしゃぎ声も大丈夫です。お風呂は共有となってしまうのですが、カギを掛けられるので安心。浴室天井は木目調になっていてくつろげる空間となっています。

こちらで提供される料理はもちろん、北海道産のものばかり。肉がぎっしりと詰まった手作りソーセージが本当美味しい!オーナー夫婦2人で夕食準備をされるので、ここで夕食を食べられるのは3テーブル限定となっています。早めの予約をオススメします。

そんなわけで『ペンション星ヶ丘』なら、昼間に富良野観光、夜は宿で食事&星空観測という観光プランが可能。さらに、星座についてオーナーに質問することができるので、より楽しめること間違いなしですよ!

『ペンション星ヶ丘』
住所:北海道上川郡美瑛町字みどり
TEL:0166-92-5551

大山山頂園

紋別山、通称は大山。この大山という名前は、アイヌ語の“ポロシリ”からきていて、“ポロ”は「大きい」、“シリ”は「大地・山」という意味です。この大山は標高334mで東京タワーと同じ位の高さ。『大山山頂園』とは、大山の山頂付近を整備してできた公園のことです。こちらの山頂に行くまでにはバードウォッチングや植物観察などを楽しめる遊歩道があります。森林浴をしながら頂上を目指すのもいいですよ。この遊歩道は4コースもあるので、行きと帰りで異なる道を歩いて違う景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。「星空観測の為に手荷物が多い」「登山する程の体力はない」という方もご安心を。車でも登れますのでラクラクと頂上へ向かえますよ。

また、この山頂から地上24mの高さには展望台があって、晴れた日には紋別の街並みとオホーツク海を一度に見渡せる何とも贅沢な場所なのです。冬にはオホーツク海の流氷も見ることが出来ますよ。
展望台から見た流氷の様子です。
http://www.youtube.com/watch?v=fDF40vBkQSo
街はもちろんのこと、海も白い氷で覆われてしまっています。普段目にすることがない分、この流氷を見たときは本当にビックリ。当たり前のことなのですが「海にこんなものが大量にでき、そして次第に溶けて消えていくのか」と、自然を目の当たりにしてただただ茫然としてしまいました。流氷を割りながら進んでいく船の様子も印象的でした。
話が逸れてしまいましたが、こちらの展望台にはエレベーターで昇れます。ぜひ!
※入館料 大人200円/小・中学生以下100円

そして夜になり、空を見上げるともう目を見張るほどにきらきらと瞬く星たち。眼下には紋別の夜景。星と街並みの輝きに思わずうっとり。ちょっと別世界に行ったような気にさえなってしまいます。私はすっかりその景色の虜になってしまって、その場から離れるのが恋しくなってしまいました。

この大山山頂園には宿泊ができるコテージがあり、食事をとれるレストハウスもあります。せっかく大山に登るのであれば、星空や天体観測目的のみでなく、家族やお友だちとアウトドアの楽しみも兼ねて行くのもオススメです。昼はアクティブに山の自然を楽しみ、夜には星空を見て癒される。素敵な一日だとは思いませんか。北海道旅行計画の参考にしてみてくださいね。

・大山山頂園
住所:紋別市大山町4丁目
TEL:0158-24-3165
営業:10時~21時(12~3月は18時まで)
駐車場あり

支笏湖

皆さん、“不凍湖”という言葉を聞いたことはありますか?これは字の通り、凍らない湖のことです。北海道千歳市にある不凍湖『支笏湖』は日本最北の不凍湖として有名な湖なのです。ではなぜ、支笏湖は凍らないのでしょうか。それは湖の水の深さに関係があります。湖は夏に太陽の熱を吸収して、冬にそれらを放出する働きをしています。支笏湖は日本で2番目に深い湖とも言われており、その水深は363m。そのため、夏場に多くの熱を吸収・貯蓄しているので、冬場に放熱しても熱量に余裕があって凍りにくいというわけです。

そんな支笏湖は、全国有数の透明度を誇る湖としても知られています。毎年4月上旬には支笏湖湖水開き、7月下旬には支笏湖湖水まつり、10月中旬には支笏湖紅葉まつりなどが行われています。中でも、1月下旬~2月にかけて行われる支笏湖氷濤まつりはとても人気があり、この時期になると多くの観光客が支笏湖を訪れます。この支笏湖氷濤まつりでは、様々な大きさや形の氷のオブジェが並び、それらが色とりどりのライトに照らされるという、なんとも幻想的な世界が創られています。開催期間中は、この会場の中で結婚式が出来たり、花火大会が行われたり、和太鼓演奏が行われたりして大変賑わいます。
こちらは支笏湖氷濤まつりの様子です。
http://www.youtube.com/watch?v=aoNpnt2dEvs
氷と光のコラボレーションが素敵ですよね。氷の滑り台なんかも普段であれば経験することがないので楽しいですよ。ズボンが冷たくなるので、覚悟が必要です(笑)。北海道旅行で支笏湖に行って星空観測される際は、こうしたイベントの日にあわせて行くのもオススメです。

支笏湖へのアクセスは、車で向かうのであれば道央自動車道千歳ICから約40分。公共機関を使って向かうのであれば、JR千歳駅からバスで約45分「支笏湖」で降りて徒歩スグです。支笏湖ビジターセンターの南側には展望台があります。この辺りは何もないので、星が見えやすく流星群の鑑賞スポットとして有名です。湖畔を染める夕日の色も艶やかで、日没頃から夜にかけては望遠鏡や一眼カメラを持った人たちが増えてきます。夕方ごろから空の景色が少しずつ変わっていくのを楽しみながら、星空を待つのもオツなもの。同じく夜空を待っている人たちと少し交流なんかもしながら過ごすのもいいかもしれませんね。

・支笏湖ビジターセンター
住所:千歳市支笏湖温泉番外地
TEL:0123-25-2404
開館時間:9時~17時30分(4月~11月)/9時30分~16時30分(12月~3月)
休館日:12月~3月の毎週火曜日、年末年始
入館料は無料。駐車場は有料。

 

しょさんべつ天文台

以前、このブログでも天文台についてまとめたことがあるのですが(詳細はコチラhttp://iyomante.info/tenmondai.html)、その後なんとも魅力的な天文台を見つけたので、今からご紹介したいと思います。

北海道の漁村、初山別村。こちらに日本最北と言われる天文台があります。その名も『しょさんべつ天文台』。日本海に囲まれた“みさき台公園”に建設されたもので、65cmの反射式天体望遠鏡が置かれています。地元の青年団と自治体が運営しており、通常の観測はもちろんのこと、学校などの教育目的としても公開されています。

このしょさんべつ天文台の一番の魅力は、星に名前をつけられることです。夜空には数えきれないほどの星があり、もう何千年と観測されてきましたが全ての星に名前がついているわけではありません。その多くは認識番号がついているだけで、名もない星は無数とあるのです。そこで、その星たちに名前をつけようというのが≪マイスターズシステム≫です。
星につけた名前は初山別村が登録し、永遠に保存されます。星の名前は家族や恋人の名前、サークル名や自分だけにしか分からない言葉など基本的には何でもOK。見上げた星空の中に、自分が名づけた星があると思ったらとってもロマンチックですよね。
登録した後は、≪星座登録キット≫というものが送られてきます。その中には、登録証明書、登録した星の位置を示した星図、星の名前などが記載されたIDプレートなどが送られてきます。このIDプレートを次回訪れる際に持っていくと天文台に無料で入館が出来ますし、その星をナビゲートしてくれるので、登録したものの自分の星がわからないなんてことにもなりませんので安心してくださいね。

また、初山別では望遠鏡に頼らずとも肉眼でも充分に星空を楽しむことができます。これは、周りに建物などがなく何にも邪魔をされないからなんですよ。“初山別”とウェブ検索してみた際に「星空を浴びる」という表現を目にすることが多いかと思います。初山別は本当に言葉通り、星空を浴びるかのような体験ができる場所です。
近くには、温泉や海水浴場、宿泊施設、キャンプ場などもあるので旅行にももってこいだと思います。
何かの記念で北海道旅行に行く際は、ぜひとも初山別へ。
http://www.youtube.com/watch?v=-ZD4urWmvVY

しょさんべつ天文台
住所:苫前郡初山別村字豊岬153-7
電話:0164-67-2539
開館時間:10時~21時(4月~9月)、10時~19時(10月~3月)/水曜日のみ通年10時~17時
※毎週火曜日は休館日。12月1日~2月末までは冬季休業です。
入館料:高校生以上200円/小・中学生100円/幼児:無料
駐車場:無料(5台)、近くに大型駐車場あり

名寄

名寄(なよろ)市は、旭川から約77km北にある市です。人口約3万人と小規模ですが、北海道で最大規模の望遠鏡を持つ天文台がこの市にあります。2010年にオープンした名寄市立天文台「きたすばる」です。

この天文台は、元々高校教師だった個人の木原秀雄氏が開設した私設の天文台でした。1992年に木原氏から名寄市へ寄贈され、名寄市立木原天文台として開台したものです。

北海道は星がよく見える場所であることから、望遠鏡を自宅に置く天文ファンが数多くおられます。

北見市相内町の北見天文同好会顧問松木昇さんは、自宅敷地に「私設まつき天文台」を構え、地元の小学校へ出張観測会を開くなどしています。北海道網走市の桑野真行さん方も、住宅街の中ですが私設の「桑野星見処」を造り、同好会のメンバーを中心に天体観測会を開いています。

「きたすばる」も私設の木原天文台から始まり、寄付を受けて市の管轄となりました。北海道大学と連携して、公開天文台としては国内2番目の大きさとなる口径1.6mの望遠鏡を設置しています。

惑星観測をする望遠鏡としては世界最大級のものなので、惑星観測会も盛んに開かれています。

これだけの設備を持つ天文台なので肉眼で是非見たいところですが、遠方で叶わない場合は日々更新されるツイッターでも観測した惑星の画像を載せていますので、こちらでバーチャル観測体験をしてみるのもいいですよ。月面の希少なクレーターや彗星、日本上空を横切る国際宇宙ステーションの姿を捉えた画像など、宇宙がより身近に感じられる情報が毎日発信されています。

また、毎週水曜日18時からは「きたすばるドットコム」というWebTV放送を発信しています。観測した星についての解説や、名寄市内のイベント宣伝など、毎週生放送で名寄の「いま」を放送しています。小さな自治体の名寄市ですが、こうした斬新な試みは画期的ですね。まだ名寄を訪れたことのない人も親近感が感じられそうです。

 

●なよろ市立天文台 きたすばる

北海道名寄市字日進157番地1(北海道立サンピラーパーク 星見の丘)

http://www.nayoro-star.jp/kitasubaru/

Twitter https://twitter.com/kitasubaru

きたすばるドットコム http://www.kitasubaru.com/

 

「きたすばる」があるサンピラーパークは小高い丘になっており、周囲を一望できる絶景ポイントとなっています。名寄市は映画「星守る犬」のロケ地にもなりました。家族も家も失った西田敏行演じる主人公と犬のハッピーが2人で旅をして、一面のひまわり畑で幸せそうに寄り添うシーンが印象的な映画でした。このひまわりのシーンを撮影したのがここサンピラーパークです。

「きたすばる」入り口にはハッピーの石像があり、星を見つけるかのように空を見上げています。

サンピラーパーク近隣にはユースホステル、キャンプ場、温泉のあるホテルと宿泊施設もありますので家族で訪れても安心です。昼は映画作品の足跡をたどり、夜は空いっぱいの星を眺める、そんな北海道旅行もいいですね。

星空を眺める北海道旅行

http://www.jtrip.co.jp/j-hokkaido/tyo/area/asa.html

なよろサンピラーユースホステル http://www9.ocn.ne.jp/~nayoroyh/index.html

 

初山別村

夜空の星が綺麗に見える場所は、街明かりから離れた森林や広野が一般的と言われています。
広い駐車場などがあれば、車を停めてじっくりと観察が出来るからでしょう。しかし、意外な盲点として、海沿いの場所も、星の名所になっていたりします。
札幌から北へ約220km、北日本海沿岸の国道232号(通称オロロンライン)を北上すると見えてくる初山別村(しょさんべつむら)も星の良く見えるところです。初山別村は世帯数約600、人口は1360人余りの「日本最北端の村」です。漁業中心の村だった初山別が「星の名所」と気付いたのは、近隣の留萌市で星の観察活動をしているグループでした。視界の半分を
占める海面は、夜になると漆黒の闇となります。小さな村で生活光が少なかったことも星の観察には良好だったのです。

地元の人が考えもしなかった村の長所に気付かされ、村は1989年(平成元年)に口径65cm反射式望遠鏡を持つ「しょさんべつ天文台」をオープンさせます。当時、札幌市青少年科学館の望遠鏡が道内最大でしたが、それを上回る大きさの望遠鏡施設を建設したのです。しかも提案を受けた村長が即断して、わずか半年で建設に着手したというから、小さな自治体ながらその決断の早さ、フットワークの軽さに驚かされます。
一躍「星のむら」となった初山別は、天文教室や一晩中星の観察をするイベントを催すなどして、地元の活性化に大いに貢献しました。現在は、名寄市の「市立天文台きたすばる」が道内最大の望遠鏡(口径160cmで世界最大級)を持つ天文台となりましたが、当時の村長の心意気や、村の高揚感はいかばかりだったかと思わずにいられません。

天文台の建設で、全国から注目が集まった初山別村でしたが、1995年に更にユニークな試みをします。希望者に星に名前をつけて所有してもらう「マイ・スターズ・システム」です。宇宙にある幾多の星には、認識はされていても名前のついていないものが多数あります。その星の1つに好きな名前を登録して、所有できるという村独自の認定制度を創ったのです。
必要経費は5,000円の登録料のみ。申請者には登録した星の概略位置を示した星図とIDプレート、星がタイトルにつく音楽集CDが届きます。IDプレートは天文台のフリーパスとなり、入館した際には自分の星を望遠鏡で覗かせてくれるという特典付きです。

星の所有は初山別村では永遠に登録・保管されます。しかし実のところは所有は非公式扱い、名前も学術的に認定されることはありません。にもかかわらず登録希望者は後を絶たず、現在までに約9200人が登録をしています。遠い彼方にある星の一瞬の煌きに、自分の想いを閉じ込めて、永遠に名を残す。そんなコンセプトにロマンを感じるからでしょうか。
大切な気持ちを星に託して、その星に会いに初山別を訪れる。そんな北海道旅行もステキですね。

●しょさんべつ天文台
住所:〒078-4431 北海道苫前郡初山別村字豊岬153番地の7
TEL・FAX:0164-67-2539
入館料:高校生以上/200円 小・中学生/100円 幼児/無料
http://www.vill.shosanbetsu.lg.jp/shtenmon/index.html

札幌近郊

札幌市内から少し距離を取れば、市街地の明かりに影響を受けないので自然の星空が期待できます。

【豊平峡】

札幌中心部から約30km離れた豊平峡周辺は、豊平峡ダムがある景観美あふれる場所です。周囲は森に囲まれ、湖と緑の雄大な景色に癒されます。特に紅葉の季節は美しく、林野庁の「水源の森100選」「ダム湖100選」にも選定されたほどです。
近くの豊平峡温泉は、100%源泉掛け流しで、札幌市内では唯一貯湯タンクを使用せず、 地中からの源泉を各浴槽に直接注いでいるというたいへん希少な温泉地です。空気に一切触れずに湯が注がれるので、酸化せず泉質も変わらないという贅沢な温泉で、全国の温泉ファンにも多く支持を得ている場所なのです。
露天風呂は最大入浴人数200人を誇り、開放感いっぱいに心身を癒せる空間となっています。日帰り入浴のみですが、深夜24時まで利用できるので、入浴しながら星空を眺められます。最高のロケーションは間違いなしなので、北海道旅行の道中で是非立ち寄ってみてください。

●豊平峡温泉

住所:北海道札幌市南区定山渓608番地2 
TEL:011-598-2410 営業時間:平日 
午前10:00~深夜0:00  
日・祝日 9:00~深夜0:00 料金:大人(中学生以上)1,000円 子供(3歳~小学生)500円 幼児(0~2歳)無料
http://www.hoheikyo.co.jp/

【定山渓自然の村】

豊平峡温泉を豊平川に沿って南下すると、「定山渓自然の村」があります。コテージやテントハウス・テントサイトを備えており、キャンプやアウトドア体験を通して自然とふれあう体験型の施設です。日中は「飯ごう体験」「森の観察会」「石釜料理体験」など様々なプログラムが用意されていて、家族連れや学生の団体に人気となっています。夜のプログラムでは、月1回「銀河の会」という星空観察会を開いています。天体望遠鏡や双眼鏡を使って、月や惑星、満天の星空を見るプログラムです。料金は無料で時間も30分ほどなので、そこまで天体に興味のない人でも気軽に参加できそうですね。

● 定山渓自然の村

住所:北海道札幌市南区定山渓(豊平峡ダム下流国有林野)
TEL:011-598-3100
http://www.sj-naturevillage.jp/

【中山峠】

札幌市から国道230号線を洞爺湖方面に車で1時間ほど南下すると、中山峠に着きます。 中山峠は、道南と道央を結ぶ最短ルート途中にある場所なので、多くのドライバーの休憩ポイントとなっています。
標高831mの峠の頂上にある道の駅「望羊中山」は、蝦夷富士と呼ばれる秀峰・羊蹄山を見る絶好のビューポイントでもあるためか、道内の道の駅で年間利用者数が最多なのだそうです(なんと年間400万人)。
昼間は名物「あげいも」「ソフトクリーム」を食べながら、雄大な羊蹄山の大パノラマを眺めて休憩してはいかがでしょうか。道の駅は夕方で閉店しますが、日が落ちると暗闇に近い夜空になるため、星がよく見えます。標高がある場所なので、夏でも夜は寒いくらいです。星空観察の際は防寒対策をしっかりして望んでくださいね。

●道の駅「望羊中山」

北海道虻田郡喜茂別町字川上345番地  
TEL:0136-33-2671
開館時間:8:30~17:30 http://ageimo.com/